どうげん事務屋塾

事務のツボをトレーニング!

お施餓鬼の事務処理①

 7月から8月にかけてはお施餓鬼です。広済寺は8月5日です。この日は江戸時代から決まっていて、唯一、変わったといえば、いまのこの日は新暦になってのものくらいでしょうか。300年も同じ日に行われていることになります。

 お施餓鬼では、お檀家さんや信者さんの先祖代々のお塔婆を筆耕します。ごあんないを発送し、お金を集め、塔婆を書くための帳面をつくるという作業が待っています。日にちが迫ってくると、本堂や境内や墓地のそうじや草むしり、お茶などのお接待の準備があります。日頃の正確なしごとが問われる、発表会のような感じが致します。広済寺ではどんな準備をしているのか。舞台裏をご紹介しましょう。

f:id:dohgen:20120805140608j:plain

 

 

 

総会資料のつくりかた④

 

集計作業

総会まであと20日余となり、はがきのレスがたまってきました。事務局を預かると総会やイベントのレス待ちだけでも、かなりの郵便物になります。そこで普段からDMなど不要な郵便物を減らすようにします。

★DMの減らし方★

f:id:dohgen:20130403100906j:plain

▲添え状をつけて、そのまま封筒に入れてお返しします。文書データは残し、2回め以上の場合は、署名と捺印で受取拒絶で返却させていただいております。

f:id:dohgen:20130403121534j:plain

▲返信はがきを出欠別に分けておく

県仏青の場合は、会員構成が正会員と賛助会員・一般賛助会員と分かれています。総会の参加対象は正会員、懇親会はすべての会員が対象となりますので、あんないは2種あります。返信が届いたら出席、欠席で分けておきます。まず。。。ありえないことではありますが、返信が極端に少ない場合は定足数に満たず、総会そのものが成立しなくなります。もし、そんな事態になってしまったら、再度、連絡をとってはがきを回収します。

★エクセルは1と0で集計する。

発信のときに使ったデータを基に、出席、欠席の数を出していきます。項目は氏名、出席、欠席とします。出席と欠席の欄は、それぞれ1と0を使います。「該当するものは1」、「該当しないものは0」、とデジタル化するのです。出席と欠席の一番下の段に∑(シグマ:全部の足し算)を入れておけば、現時点で何人になるのかがわかります。これが、総会の出席者数と定足数算出、懇親会の参加人数になっていきます。

★懇親会の準備にうつります。

①懇親会の参加人数が絞れたら、お店に人数の連絡をします。

②領収書を作成します。

③席次札を作成します。

以上が総会20日前のうごきになります。

 

総会資料のつくりかた③

 

総会資料のつくりかた

 当日に配布する資料はエクセルのシートを使います。シートの部分をクリックすれば、横へ横へと文書が流れるので、中身が「見える」のです。総会資料は、いろんなものをつなぎ合わせていきます。ワードですと、下に流れていくので、見えにくくなります。さらに、すべての文書を手直ししたあと、手作業で原版を組み合わせる作業が増えてしまいます。エクセルなら1ファイルとし、そのなかのシートに内容を載せてしまえば、印刷の際、「すべてのシートを印刷する」と操作すれば、文書は完成します。

 面倒ですが、初回に文書のエクセル化をやってしまうことです。ちょっと大変ですが、どの会も任期は2年~4年ですから、次年度以降は、カンタンになります。

▼これが、現在、仕掛けている総会資料です。http://d.hatena.ne.jp/dohgen/files/130326%E3%80%8025%E5%B9%B4%E7%B5%B1%E5%90%88%E8%B3%87%E6%96%99%20hatena%E5%85%AC%E9%96%8B%E7%94%A8.xlsx?d=y

 昨年のものをきほんに、じぶんがつとめる事務局の守備範囲は、現時点での手直しをします。県仏青には、財務、救援、研修、広報などのセクションがあります。このきほんデータを担当さんあてに、分解します。分解したシートには、必要に応じて、吹き出しを入れ、手直しして欲しい部分をわかるようにします。これをメールに載せて、返信を待ちます。そして、再度手直し→全体会議での目視を経て、総会資料となります。

 決算・予算は別のデータから取り込んでいることが多く、このきほんシートに統合すると、計算式にエラーが発生することがあるので、個別にデータか文書の現物をもらって、手作業で全体の文書に組み込んでいます。作成したのがXPかSEVENかの差で罫線のずれや画面表示が拡大のままになったりしていることもあるので、無理に組み込まないほうがよいのではないかというのが実感です。

f:id:dohgen:20130403121606j:plain

▲仕掛け中の文書は、手直しするたびに、印刷します。無印良品のファイルが安くて丈夫で便利。これで全員に「みえる化」をします。

 私のファイルを初めて見た方は、「こんなの到底できない!」とか「面倒すぎる~」とおっしゃる方も少なくありません。しかしながら、まずきほんを決め、日日の変化をしっかり記録していれば、結果的には、ラクなのです。自身の体験から、わかっているので、みなさんには、面倒がらず、ぜひやっていただきたいのです。

 

 

 

 

 

 

総会資料のつくりかた②

 

 ごあんないをつくる                    

総会は4月です。日程はコアメンバーにはかり、12月には日時を決め、会場も予約しておきます。はやめ動きだすことが、いかに大切なことと、そうでない場合に最悪な事態が待っていることは、「幹事のしごと」http://dohgen.hatenablog.com/entry/2013/01/20/152754のなかで、みなさんと研究したとおりです。

ごあんない文書の作成は集中して行ないます。

データの精査

送付データをよく見て、住所の確認や退会・入会が発生していないかの精査をし、宛名ラベルを印刷します。常に動いている組織ならば、名簿の混乱はほとんどありませんが、年に数回しか動かない組織では、データの精査が大切になってきます。

文書はエクセル&往復はがきで!                    

 ごあんないの文書は往復はがきで作成しています。A4のペラ1枚に、返信はがきを添えるのが一般的なのですが、200通もあるので、封緘するだけでも手間がかかります。それに封筒を開けてくれるまでのラグがあります。往復はがきなら、たくさんの郵便物に混ざっていても、「封をあけなかった」とか「届いたかどうかわからない」とはなりません。往復させても100円です。印刷コストを加算しても、封筒より経済的です。

印刷にかける前に、日時と場所はお店にもう一度確認します。予約してあっても、お店の手違いで、予約がなかったという最悪の事態を避けるためです。また、予約した日に、お店に工事や移転の情報はないかも確認しておきましょう。

作成した文書は1枚は手元に保管しておきます。何か問い合わせがあったときに、こたえるためです。あきらかに当方に間違いがある場合は、きちんと低頭しましょう。細かい誤謬を突いてきた場合は、再発防止をしっかり検討します。

 

 

 f:id:dohgen:20130313150606j:plain

 

緑面

f:id:dohgen:20130313150607j:plain

 ▲青面

 

データはエクセルで作成しています。印刷のとき、設定はA4のまま。媒体のみ往復はがきにすると、エクセルが、まるで「はがきソフト」のように使えるのです。「はがきソフト」では吹き出しを使って、文面を作っていきます。「ならばエクセルでも、できるはず!」そんな発想でつくりました。http://d.hatena.ne.jp/dohgen/files/130304%EF%BD%98%EF%BD%8C%EF%BD%93%E3%80%80%E5%BE%80%E5%BE%A9%E3%81%AF%E3%81%8C%E3%81%8D%E7%89%88%E3%83%BB%E5%AE%9A%E6%99%82%E7%B7%8F%E4%BC%9A%E3%81%82%E3%82%93%E3%81%AA%E3%81%84%EF%BC%86%E8%BF%94%E4%BF%A1.xlsx?d=y自由にアレンジして使ってみてください。

 

 

総会資料のつくりかた①

 

 みなさん最大の関心事は総会準備

 4~5月は総会時期。神奈川県仏教青年会(以下、県仏青)に関わって、かれこれ13年余り。平成20年から2期4年、事務局をお手伝いさせていただいておりましたが、25年度からは新内局へバトンタッチとなります。総会に関することは、「お坊さんの智恵袋」のなかで、もっともみなさんからの関心が高かったトピックでした。じぶんとしては、きままに綴っていただけなので、非常に驚いています。

すべてをカンタンにすることから生まれたエクセル化

 いまでこそ「事務屋」のどうげんですが、県仏青の事務局になったときは、広済寺は書院の普請の真っただ中でした。トイレは外の仮設、本堂だけに家財道具をおしこめ、2畳分しかないなかで、やっておりました。通常業務だけでも大変です。しかも輪番で伊勢原市仏教会でも事務局長。ダブルで事務局など到底、できるものではありません。当時の県仏青の会長さんからお話がありましたが、お断りしつづけました。が、相手も鬼です。執拗に迫ってきます。なんどか押し問答をしたあげく

「どうしても事務局長になれというのなら・・・」と

かぐや姫のごとく、私は、非常に無理な(?!)条件を会長さんに呑ませました。

その条件とは

①昔の資料や記念品や頒布品や冊子の在庫は捨てること。仕分けのつかないものはごみ。そんな段ボールを絶対に広済寺に持ち込んではならない。

②すべてをカンタンにすること~しんどいから、次にやれる人間がいなくなってしまう。

③すべてをドライにやる。~無駄なしごとはしない。時間にルーズ、ズルズルべったりの温情主義はとらない。

当時を振り返ると事務局がダブル、おてらは普請で勧募金の集計、建設関連の書類の処理、業者や行政との折衝、設計士さんからの報告、世話人さんとの連携など・・・とよくこなしていたと思います。

 この種明かしは、2つあります。まずは、みなさんの協力です。時間をあわせる、時間内に終わらせることを、仏教会でも、広済寺でも徹底させていただきました。もうひとつは、事務のみえる化です。文書をすべてエクセル化するのです。「ワードで管理するから、文書は下に流れ、見えない上にファイルだけが増える。エクセルならシートでつくるからデータ量を減らせる。」ここに目をつけていたのです。ゆえに、どうげんの事務ネタは全てエクセルなのです。

 

リーフレットをつくる④

 ついに完成しました。

f:id:dohgen:20130309121611j:plain

 ▲かがみです。f:id:dohgen:20130309121521j:plain

▲開いていくと境内とほとけさまが見えてきます。

f:id:dohgen:20130309121547j:plain

▲裏面です。

小さなことをしっかりと積み上げていくと、いいものができます。構想10年。アイデアを凝縮し、作業に集中すること1か月。最終校正から印刷完成までが1か月。完成度の高いものができました。試作段階でいろいろなご意見をよせてくださった、すべての方に感謝申し上げます。ありがとうございました。おかげさまで本日より、運用開始となりました。

 リーフレットをつくる作業自体はこれで終了ではあります。これから先のステップが待っています。

①原画を額装する。~原画とリーフレット(初版)を、作品として書院に飾ります。

イラストを描いていると、原画だけでもいつのまにか膨大な量になってきます。引き出しに眠ったままでは、もったないので、オブジェにするのです。ほかの方の目に触れることによって、作品に関わった思い出話もできますし、制作プロセスの説明にも役立てることができます。

額装するレベルでもない作品は、レストランなどにあるメニュー楯を使います。かっぱ橋なら、いろんなものがありますよ。

②完成したリーフレットははやめに配布します。

③リサーチをかけます。~どんな方が一番、喜ばれるか。どんな点が不評だったか、徹底的に意見をリサーチして、反応を確かめます。

④意見を集約し、必要があればカイゼンします。

実際に使っているうちに、カイゼンしたいところも出てきます。いろんなアイデアを合わせたり、ときには意見を戦わせることで、クオリティがさらに高くなります。作ったら作りっぱなしにしない。~これがどうげんのやり方なのです。モノづくりに終わりはないのです。モノを伝えるとは、さらに進化しつづけることなのです。

以上。「リーフレットをつくる」でした。最後までおつきあいをいただきまして、ありがとうございました。

 

リーフレットをつくる③

 

 

リーフレットの大きさを決める

やはり基準にしたのは、ご本山である建長寺の境内案内でした。A4の三つ折で、とてもシンプルなのです。広済寺の場合は鎌倉とは違い、場所が知られていないために、地図を広域図と周辺図を設けるためスペースが足りません。そこでA4三つ折サイズ(三面)・プラス(一面)としました。この大きさでエクセルで版を作ります。文章は吹き出しで、写真やイラストは画像取り込みでレイアウトしていきます。

絵地図をつくる

広済寺の最寄りの駅は伊勢原駅なのですが、インターチェンジが近いので車があると、田舎暮らしを感じないところでもあるのです。東名厚木から6km、小田原駅からでも小田原厚木道路なら25分という場所にあります。平塚駅からも車なら25分なので地図を2種類つくってみました。

◇周辺地図

f:id:dohgen:20130202200925j:plain

◇広域地図

f:id:dohgen:20130202200926j:plain

 ウェブで地図を検索すれば地図はできるのですが、正確すぎて見にくいので手書きにしました。地図製作会社さんのサイトで、気に入ったサンプルをもとに、広済寺版のアイデアを膨らませてみました。集中して構想を練ること1日、地図は各々、完成まで丸1日かかりました。

仏像や境内の写真について

背景がバラバラだと統一感がなくなります。本尊さまは宮殿におさまった角度で撮影します。その他の仏像は、すべて書院にありますが、祭壇から全て出し、背景を同じ壁、同じ敷物にして撮影しました。ひとつの仏像につき、10枚以上撮影し、いいものだけを選んでいきます。

f:id:dohgen:20130129084453j:plain

撮影だけでも一日、写真のピックアップだけでも半日はかかります。境内の写真は、「四季折々のを・・・」とも考えましたが、スペースがないのと、古い写真を探し、ファイルを構築していく手間がかかるので、全体図はイラストで。本堂と書院はここ数日間に撮影したものから選ぶことにしました。f:id:dohgen:20130225171235j:plain

原稿ファイルの整理方法

手書きの絵地図や写真は、エクセル上にレイアウトします。印刷屋さんが原版を作成する際には、エクセル上に載せたものではなく、オリジナルを使うことになります。フォルダーをつくっておき、エクセルと画像データをひとまとめにし、すぐにスティックに移し替えて運べるようにしておきます。

 ここまでが基礎工事です。基礎工事ができていれば、印刷屋さんも専用のキカイに落とし込み、校正もはやくなります。基礎があやふやだと校正が手間取り、暗礁に乗り上げてしまいます。指示がはっきりしないので、印刷屋さんが動けなくなってしまうのです。きちんと基盤をつくることが肝心です。面倒がらずに、一気呵成にやってしまいましょう。

これでエクセル版のたたき台が完成です。データが多いので、メールで送ろうとしてもはじかれてしまいます。スティックに入れて、印刷屋さんに持ち込みます。