どうげん事務屋塾

事務のツボをトレーニング!

幹事のしごと~⑥リコンファームと直前準備

 

~返信がない方へは出欠の確認をとります。店へ予約の確定。席次札と次第を準備。

 とうとう返信が来なかった先へは個別連絡して、出欠を確認します。どうげんはこれを、リコンファームと呼んでいます。「なにもそこまで~」と言われそうなのですが、実は、いちばん避けたいことがあるのです。それは、出欠の返信をしない方に限って、当日やってきて、平然と席についてしまおうとすることです。すべてを文書で行なうようにしてきたのは、こんな事態を防ぐためなのです。

こんなケースもあります。開催直前になって、

「行けそうじゃなったから返信はしてなかったけど、やっぱり行くことにしたけど・・・いいかな?」

という方です。そのあたりはもう・・・幹事さんの采配ですね~。いずれにせよ、コアメンバーにだけは、こうした不測の事実は今後のために伝えておきます。

 どうげんの場合は、最初から緻密な事務を組み込んでいきます。そのかわりに、土壇場での「やんちゃさん」は受けないことにしています。一昔前は、「やんちゃさん」をうけるのがあたりまえのようでした。急に来てしまった方に、幹事役が、ご自身は何も悪くないのに、「当方の手違いにより、申し訳ございませんでした」と、かいがいしく、動いているのを見ていました。30名以上の会なのに、電話だけの口頭で出欠を取り、「行かれないから、あとヨロシク~!」と会費もスルーする方も見てきました。返事がないから、電話を掛けると、「女房が手紙を渡してくれなかったから、きょうのことは知らない」とか、なんとまあ、わがままな王様の多いこと・・・。

「先輩は手違いなんかしていない」

「詰めが甘いだけなんだ」

「誰にも刺されないでやれる方法にしなければ、後進が育っていかない」

「きちんと、系統だってやれば、トラブルは起こらないはず。」

「そのためにはどんな作業が必要なのか。徹底的に「見える化」してみよう。」

これが、わたしの事務屋の出発点でした。

 わたくしへの評価ですが、あらかたは「一押し!コイツは使える!」と好評をいただく一方、「事務的すぎる!」、「慇懃無礼」、「合理化男」など、いろんな勲章?!もいただきました。

 でも・・・どうなのでしょうか?

 全体をうまく軌道にのせて、動かしていくのが幹事の役目です。ルールを守らない人がいるから、全体のうごきが止まってしまうので、そうならず、きちんと動かせることが至上命題。ゆえに「冷たい!」といわれるのは、「やはり勲章!!!」だと思っています!

 

~お店には人数を連絡します~

集計が完全にできあがったのちに伝えます。その際、人数の変更はいつまで可能かを聞いておきます。だいたい開催日の前日の午前までとなります。よって、再度、前日に電話を入れ、お店と意志疎通をはかっておくことが大切です。

~席次札をつくる~

出席名簿をもとに席次札をつくります。書式は「〇〇様」とし、敬称を必ず入れます。上座には、ご招待の賓客と会のOB、会の現在の代表者、中座には、それに続く方々、下座には一般メンバー。出口に近いところは幹事となり、司会・進行をつとめることになります。

~受付用の名簿をつくる~

出席名簿をもとに受付用の名簿をつくります。2種つくります。

①出席者のみの名簿は、会費のチェックに使います。これには役職も載せておきます。これは役職ないしは長老の順に、ご挨拶、乾杯のご発声、中締めなどをお願いすることになるからです。受付を一緒にやってくれる方がいる場合は、メイン幹事とサブ幹事として人数分を準備しておきます。

②全体名簿

会には参加できないけれど、お祝い金を送るとか、当日参加するどなたかに持たせる場合がでてきます。その際、すみやかに領収書を切れるように、全体名簿を用意します。お祝い金が極度に高額な場合は、別途、おみやげを送るなどの心遣いを忘れずにしましょう。

~次第をつくる~

開会、ご挨拶、乾杯のご発声、お祝い金の報告、来賓紹介の順番、中締め、閉会などスケジュールをコアメンバーで内容と分担を決めておきます。

こんな作業でなんだかんだと二日、三日は費やします。がんばりましょう!

本番が近づいてくると、キャンセルや場所の問い合わせなど応対に追われます。携帯は鳴りっぱなしになるので、バッテリーは充電しておきます。ほかのしごとについても、急がないものは後日にして、開催日の数日前は、時間に余裕をつくっておきましょう。

※実務こぼればなし 「席次札」や記念品の「タグ」の敬称

臨済宗のおてらで、和尚さんの葬儀や斎会(法要)、本堂の落慶法要などで受付をつかさどる係を副司(ふうす)といいます。お檀家の中から、お世話人さんや総代さんがいらして、いろいろ手伝ってくださいます。その中で、席次札やタグの名前を書いていただくようお願いすると、寺院名やお名前だけを書いてきます。敬称がないのです。理由をうかがってみると

「結婚式じゃないし、誰のものかわかればいいんでしょう?」というお答え。「ム・・・!?そういう考えもあるのか」

ともあれ、寺院での行事の場合はすべて敬称を入れるように、前もって、お願いするようにしています。